永遠の輝きで世界中の人々を魅了するダイヤモンド。自然の中で生まれる天然ダイヤモンドは、ダイヤモンドの生成までにかかる月日や実際の産出量などを知ると、この一粒に出会えたのは奇跡とも神秘とも言えるほど。そのため、天然ダイヤモンドの価値が極めて高いのも うなずけます。
こうした天然ダイヤモンドの価値に対して、新しい価値を提案するラボグロウンダイヤモンドがあります。研究所(ラボラトリー)で育てられる(グロウン)ダイヤモンドのことで、天然ダイヤモンド同様の輝きにもかかわらず、ラボグロウンダイヤモンドの価格はとても安いため、昨今話題になっている。
そこで、天然ダイヤモンドとラボグロウンダイヤモンドのそれぞれ特徴をはじめ、この二つのダイヤモンドの価格や違い、見分け方などについて調べてみました。
天然ダイヤモンドとラボグロウンダイヤモンドの特徴について
まずは、天然ダイヤモンドとラボグロウンダイヤモンドのそれぞれの特徴をみていきましょう。
天然ダイヤモンドについて
天然ダイヤモンドは、炭素という単一の元素からできている唯一の宝石です。正確には、約99.95%が炭素、0.05%は窒素やホウ素などの微量元素からできています。天然ダイヤモンドは、地表から約161km地中付近にある高温高圧環境下で、非常に長い年月をかけて生成されるのです。
これらの微量元素はダイヤモンドの結晶化によって、天然ダイヤモンドが生成する中で含まれていき、ダイヤモンドに色をつけることがあります。宝石店に並ぶ天然ダイヤモンドは、無色透明(クリア)なものがほとんどですが、実はクリアな天然ダイヤモンドは稀。多くの天然ダイヤモンドには色がついているのです。
自然の中でダイヤモンドの結晶化が起こり、生成される天然ダイヤモンドは「唯一無二」のもの。そのため、重さを表すカラットという大きさの単位、色の等級であるカラー、透明度の等級であるクラリティ、形の良し悪しを表すカットを分析し、それぞれにダイヤモンドグレーディング(鑑定)が必要となります。ダイヤモンドグレーディングによって、各天然ダイヤモンドの価値が判明します。
その結果を記したものが、ダイヤモンドグレーディングレポートです。品質を評価・鑑定した品質保証書で、天然ダイヤモンドにだけ、ダイヤモンドグレーディングレポートがつきます。
天然ダイヤモンドの価値が高い理由は他にもあり、そのひとつは産出量です。天然ダイヤモンドは、鉱物が入った岩(母岩)100万個に対して1割程度しか産出できません。ですから、中古品の天然ダイヤモンドでさえ、その価値は高く、売買可能なのです。
また、天然ダイヤモンドは地球上で最も硬い物質で、傷をつけられるのは同じダイヤモンドだけ。そしてダイヤモンドの結晶の形状から、どのような形に加工しても、輝きは他の宝石には見られない煌めきや虹色の反射を出します。こうしたことから、天然ダイヤモンドの価値が極めて高くなるのです。
ラボグロウンダイヤモンドについて
続いて、ラボグロウンダイヤモンドについてみていきましょう。研究所で生成されるダイヤモンド、ラボグロウンダイヤモンドの性質は、天然ダイヤモンドと一緒です。原料はもちろん炭素のため、屈折率なども天然ダイヤモンドと同じ。ただし、ラボグロウンダイヤモンドは、配合する成分をコントロールできるので、不純物のないダイヤモンドを生成することができます。
ラボグロウンダイヤモンドと天然ダイヤモンドの違いは、ダイヤモンド製造工程、つまり、ダイヤモンドが生成される環境です。ラボグロウンダイヤモンドは、研究所のコントロールされた装置の中でダイヤモンド生成を行い、完成するまでに数週間しか必要としません。気の遠くなるような天然ダイヤモンドの生成期間に比べたら、アッという間に完成します。
ラボグロウンダイヤモンドの価格と特徴
ラボグロウンダイヤモンドの価格は、天然ダイヤモンドの価格に比べると、とても安価。1カラットの大きさのラボグロウンダイヤモンドを、10万円くらいの価格で販売する企業もあります。天然ダイヤモンドの価値は、ダイヤモンドグレーディングレポートや市場、為替相場などによって、1カラットの大きさでもさまざまな価格になります。ラボグロウンダイヤモンドのような価格で手に入る天然ダイヤモンドは、ほぼないでしょう。
そして、ラボグロウンダイヤモンドは、倫理的に正しく(エシカル)、環境に優しい(サステイナブル)ジュエリーと言われています。天然ダイヤモンドは、採掘にあたり労働問題や環境問題を引き起こすこともしばしば。さらに天然ダイヤモンドが高額なゆえに、売上金が武器購入に使われることもあります。こうした問題を、ラボグロウンダイヤモンドは一切持っていません。ですから、現在、ラボグロウンダイヤモンドの生成に注目が集まり、若い世代を中心に人気が高まっているのです。
ダイヤモンドの見分け方
人工ダイヤモンドは、天然ダイヤモンドと見た目が同じため、一般人には見分けがつきません。そのため、ダイヤモンドの人工と天然の違いは、宝石鑑別士などの専門家、または専門的な選別機器で見分けるしかありません。
とくにラボグロウンダイヤモンドは、一つの結晶でできるなど、化学的・光学的にも天然ダイヤモンドと同様のため、従来の専門的な観察や機器でも識別が難しいと言われています。そのため、高度な鑑定技術を持つ専門家や機械を使用することでしか、区別できない現状です。
人工ダイヤモンドと天然ダイヤモンドの違いは、文字通り「人の手で作られた」か「自然に採掘された」かの違いです。しかし、両方とも同じ炭素からできているという点では、人工のダイヤモンドも「本物」のダイヤモンドであることに間違いはないのです。また、ダイヤモンドグレーディングレポートを発行することにより、そのダイヤモンドの品質を確かなものとしてくれます。
遺骨ダイヤモンド
最後に、遺骨ダイヤモンドについてみていきましょう。遺骨ダイヤモンドは、故人の人骨でダイヤモンドを生成したもの。メモリアルダイヤモンドとしても知られており、世界中で最も美しい手元供養と言われています。
遺骨ダイヤモンドは本物なのか
LONITÉの遺骨ダイヤモンドの製作は、遺骨から抽出した炭素を高精度に精製。その後、天然ダイヤモンドが生成する環境を再現した装置に入れ、ダイヤモンドの結晶化による生成を行い、遺骨ダイヤモンドとして完成させます。そのため、遺骨ダイヤモンドは天然ダイヤモンドと同じ性質になります。
ただし、遺骨ダイヤモンドと天然ダイヤモンドには大きな違いがあります。それは、ダイヤモンド生成の原料である炭素です。遺骨ダイヤモンドは、故人の人骨から抽出された炭素を使用したダイヤモンドのため、遺骨ダイヤモンドは故人そのものでもあるのです。
ですから、遺骨ダイヤモンドには、天然ダイヤモンドの物理的な事柄を分析し評価する、ダイヤモンドのグレーディングでは評価しきれない「輝きや美しさ」があるのです。
ダイヤモンドグレーディングレポートは、本物のダイヤモンドにのみ発行される鑑定書です。LONITÉでは、第三者機関からの認定保証書をオプションとして発行することが可能です。ダイヤモンドグレーディングシステムを考案した、ダイヤモンド界における最も権威のある鑑定機関、GIA(米国宝石学会)をはじめとする、世界ランクの宝石鑑定・鑑別機関やラボでの再鑑別を行うこともできます。
LONITÉの遺骨ダイヤモンドは、故人の輝きを放つ本物のダイヤモンド。その輝きを身近に置くことで、いつも故人とつながっている感覚を持てるでしょう。そして、それは愛する人への最大の弔いにもなります。
まとめ
天然ダイヤモンドは、その性質と産出率の低さで非常に高い価値を持っています。一方、同じ性質を持つラボグロウンダイヤモンドは、研究所でダイヤモンド生成が行われているという点のほか、エシカルでありエコロジーにもかかわらず、ラボグロウンダイヤモンドの価格がとても安いため今多くの注目を集めています。
人工・天然のダイヤモンドの違いを見分けるには、ダイヤモンドグレーディングが助けとなります。そして、鑑別機関等から発行されるダイヤモンドグレーディングレポートが、本物のダイヤモンドであることを証明し、品質を確かなものにしてくれます。
故人の人骨でダイヤモンド生成をする遺骨ダイヤモンドも、天然ダイヤモンドと同じ性質を持ち、本物のダイヤモンドとして証明されている「唯一無二」のダイヤモンドなのです。
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