時代とともに変化する生活スタイルに合わせ、葬儀や供養方法も多様化しています。そのうちのひとつに手元供養(自宅供養)があり、年々手元供養(自宅供養)を選択する人が増加しています。

手元供養(自宅供養)を採用する人が増えてきている背景には、親と同居する家族の減少、地元離れや海外生活者の増加などがあります。東京や大阪などの都会に住んでいるため遠方のお墓参りに行けず供養できない問題や、少子高齢化社会の拍車により、 お墓の継承問題や管理・維持問題が生じてきました。 そのため、墓じまいする人が急増。さらに、住居の欧風化からお仏壇を置かない家庭も増えています。

こうしたことから人々の意識も変わり、人生最期のセレモニーや供養スタイルも従来の儀式や、しきたりにこだわらなくなっていったのです。供養においては、故人をもっと身近に感じていたいという理由で、分骨した遺骨や遺灰をミニ骨壷に入れたり、分骨した遺骨や遺灰で 遺骨ダイヤモンドを作製してジュエリー加工して身につけたりする手元供養(自宅供養) の需要が高まっています。特に東京や大阪などの都会で暮らす方は、諸事情から手元供養(自宅供養)を選ぶ方が増えてきているようです。

それでは、手元供養(自宅供養)とは具体的にどんなものなのか解説していきます。


手元供養(自宅供養)とは



手元供養とは、故人のご遺骨や分骨、ご遺灰、形見などを身近に置いて冥福を祈る供養方法。自宅供養とも呼ばれています。手元供養(自宅供養)は、ミニ骨壷に入れたご遺骨をリビングなどに安置し家族で供養したり、ご遺灰をアクセサリーの中に納めて身に付けたり、ご遺骨やご遺灰に残る炭素で遺骨ダイヤモンドを作製したりと、故人を身近で供養できる形にして弔う方法です。

手元供養(自宅供養)は、ご遺骨やご遺灰をお墓に埋葬し、お墓参りや年季法要などを行う従来の供養とは異なる新しい供養であり、時代のニーズに合った供養方法と言えます。では、手元供養(自宅供養)のメリットとデメリットはどのようなものでしょうか。以下に手元供養(自宅供養)のメリットとデメリットをまとめました。




手元供養(自宅供養)のメリット

  • 【手元供養(自宅供養)のメリット1】 故人を身近に感じることができる

  • ご遺骨を埋葬したり散骨したりなどすると、故人が遠く離れてしまったように感じ、寂しさが癒されないこともしばしばあります。

    手元供養(自宅供養)であれば、ご遺骨が入ったミニ骨壷、遺骨ダイヤモンドなどがすぐそばにあり、いつでも好きなときに手を合わせて故人を偲ぶことが可能。ご遺骨が入ったアクセサリーは身に付けることで故人と一緒に出かけることもできます。そのため、愛する人を失った悲しみを癒す方法としても、手元供養(自宅供養)は効果的です。

  • 【手元供養(自宅供養)のメリット2】 お墓参りのために遠出する必要がない

  • 転勤や結婚で地元とは別の土地が生活拠点となり、お墓参りのための時間がつくれない、旅費がかかりすぎるなどから、頻繁にお墓参りに行きたくても行けずに心苦しさを感じている方が多いようです。

    また、足腰が弱まった高齢のご遺族の場合は、お墓参りに行くことはもとより、お墓の清掃など管理・維持が困難になっています。手元供養(自宅供養)は距離や時間を気にせず、いつでも故人を供養できるのが大きな利点です。

  • 【手元供養(自宅供養)のメリット3】 費用を最小限に抑えることができる

  • 以前の日本では、1つの家に3世代が住んでいたり、兄弟姉妹が多かったりしたことから、お墓の後継者問題はなく、親族で管理・維持をしていました。

    しかし、現代ではこれらが大きな問題となっているご遺族が多数おり、その解決方法が手元供養(自宅供養)です。お墓の管理・維持費用の負担を軽減し、後継者不在のために墓じまいしたあとでも、ご遺骨を傍に置くため、しっかりと手元供養(自宅供養)で供養できます。




    手元供養(自宅供養)のデメリット

  • 【手元供養(自宅供養)のデメリット1】 親族の同意を得にくい場合がある

  • 手元供養(自宅供養)は新しい供養方法のため、親族間で反対されることがあります。これは、お墓参りに行きたいのに行けなくなる、故人のご遺骨(ミニ骨壷に納めてあっても)、また遺骨ダイヤモンドなどご遺骨を加工したオブジェがあることを不快に感じるなどの理由からです。

    そして、手元供養(自宅供養)のために、ミニ骨壷に入れた遺骨や遺灰などを所有しているご遺族が他界されたとき、その分骨の処分で親族に手間がかかることもあるためです。

  • 【手元供養(自宅供養)のデメリット2】 アクセサリーは紛失の可能性がある

  • 遺骨アクセサリーや美しい供養方法として有名な遺骨ダイヤモンドは、人気の手元供養(自宅供養)ですが、それらは形状が小さいため紛失しやすいという点が手元供養(自宅供養)である遺骨ダイヤモンドのデメリットです。手元供養(自宅供養)時だけでなく、外出や引越し時は特に注意しましょう。


手元供養(自宅供養)の種類


分骨して傍に故人を置く手元供養(自宅供養)には多彩な専用品が揃っています。分骨後の手元供養(自宅供養)で使われるグッズをご紹介します。

  • 【手元供養(自宅供養)の種類1】 骨壺

    手元供養(自宅供養)に欠かせないのが、分骨したご遺骨やご遺灰を納めるミニ骨壷。手元供養(自宅供養)で使われるミニ骨壷は手のひらサイズです。分骨したご遺骨やご遺灰を納めるミニ骨壷は家の中に置くため、ミニ骨壷のデザインは優れており、モダンなものから蒔絵などの伝統的な装飾が施されたものまであります。ミニ骨壷の素材は金属系や漆などがあり、ミニ骨壷のカラーも多種多様。ミニ骨壷のフタに刻印できるタイプもあり、ミニ骨壷に命日やメッセージを刻むとより故人への想いが深まった手元供養(自宅供養)となるでしょう。

    分骨したご遺骨やご遺灰を納めるミニ骨壷は、生前の故人のイメージに合わせて選んだり、手元供養(自宅供養)としてミニ骨壷を置く場のインテリアに合わせて選んだりします。手元供養(自宅供養)で使われるミニ骨壷の価格は600円くらいから。素材によっては10万円以上のミニ骨壷もあります。

  • 【手元供養(自宅供養)の種類2】 ミニ仏壇

    核家族化で家がコンパクトになったりマンション暮らしが増えたりしたことから、手元供養(自宅供養)のためのミニ仏壇が注目されています。特に東京や大阪などの都会は、墓地が高額であったり、人口増で墓地さえも購入できなかったりといった問題が発生しているため、手元供養(自宅供養)傾向が強く、東京や大阪などの都会では部屋に故人を祈る空間をつくる方が増えてきています。

    ミニ仏壇は、開閉式のボックスタイプやフォトスタンドを中心としたステージタイプなど、限られたスペースで手元供養(自宅供養)したい方にも適した大きさです。多彩なフォルムのミニ骨壷とおりんをセットにしたものが主流で、基本の仏具(三具足)も合わせたものもあります。手元供養(自宅供養)で使われるミニ仏壇の価格は大きさやタイプによって大幅に異なりますが、相場は1万円くらいから。

  • 【手元供養(自宅供養)の種類3】 遺骨プレート

    手元供養(自宅供養)で使われる遺骨プレートとは、分骨したご遺骨を特殊な機械でとても細かいパウダー状にし、プレート状に固めたものです。材質はファインセラミックス。ガラスや金属などにはないぬくもりを感じることができます。表面に故人の名前を刻み、手元供養(自宅供養)としてリビングや故人がよくいた場所に遺影と一緒に並べると、まるで故人がそこにいるかのような雰囲気になります。手元供養(自宅供養)で使われる遺骨プレートの価格は10〜20万円台です。

  • 【手元供養(自宅供養)の種類4】 遺骨ジュエリー

    手元供養(自宅供養)で使われる、分骨したご遺骨やご遺灰をジュエリーの中に納めたアクセサリーは、ペンダントや指輪、ブレスレットなど種類が豊富。 シルバー、ゴールド、ステンレスやチタンなど素材も多彩です。身に付けることで、外出も一緒にできる手元供養(自宅供養)となります。手元供養(自宅供養)で使われる遺骨ジュエリーの価格は、デザインと素材によりますが数千円から。中には50万円以上のものもあります。

  • 【手元供養(自宅供養)の種類5】 遺骨ダイヤモンド

    最も美しい手元供養(自宅供養)の方法として世界中で話題の 遺骨ダイヤモンドは、分骨した故人のご遺骨、ご遺灰、ご遺髪から炭素を抽出し作製されます。 手元供養(自宅供養)で使われる遺骨ダイヤモンドの作製工程は、天然ダイヤモンドが生成される工程と同じ。 地中深くの高温高圧環境を再現した装置で、極めて高い純度99.99%に生成した炭素をゆっくりと時間かけて結晶化させ、遺骨ダイヤモンドを作製していきます。

    手元供養(自宅供養)で使われる遺骨ダイヤモンドの輝きは、生前の故人を彷彿させるかのように光輝くのが魅力。その美しさは永遠です。部屋に置いて手元供養(自宅供養)するもよし、ジュエリー加工して身に付けて手元供養(自宅供養)することもできます。手元供養(自宅供養)で使われる遺骨ダイヤモンドの価格は288,000円から。遺骨ダイヤモンドのカラーやサイズによって価格は異なります。

  • 【手元供養(自宅供養)の種類6】 遺骨真珠

    手元供養(自宅供養)で使われる遺骨真珠は、ご遺骨と粘土を混ぜたセラミック核を作り、養殖真珠と同じ工程で生成します。生成環境は海の中。自然の力を借りて、分骨したご遺骨が新しい命を誕生させ、取り出されてご遺族のもとに戻ります。この神秘的なサイクルで、手元供養(自宅供養)時の想いはまた一層深みを増すでしょう。

    ご遺骨を含んだ核を貝の中に入れていく核入れ時、遺骨真珠取り出しの浜揚時は立ち会うことができます(別途)。90核を貝に入れ、でき上がる遺骨真珠は3〜18個。それらすべてがご遺族に手渡されます。手元供養(自宅供養)で使われる遺骨真珠の価格は約30万円です。




手元供養(自宅供養)は違法?縁起が悪い?



手元供養(自宅供養)は分骨したご遺骨を手元に置きますが、違法行為にならないかと心配する方もいらっしゃいます。

その答えは…手元供養(自宅供養)は違法行為ではありません。火葬後の分骨したご遺骨やご遺灰 を自宅に保管することや、手元供養(自宅供養)を禁ずる法律はなく、存在するのは墓地・埋葬(地中に埋めること)に関する法律です。ここでは、ご遺骨の埋葬や納骨は都道府県が許可した寺院墓地や霊園、納骨堂でなければならないとあります。手元供養(自宅供養)のために分骨したご遺骨をミニ骨壷に入れて保管したり、手元供養(自宅供養)として遺骨ダイヤモンドを自宅に置いたりすることは埋葬と違うため、この法律に当てはまらないのです。また、すべてのご遺骨・ご遺灰が墓地に埋葬されなくてはならないと言う決まりもないため、誰でも手元供養(自宅供養)ができます。

しかし、手元供養(自宅供養)のための分骨は、成仏できないと言って縁起が悪いと言われることがあり、手元供養(自宅供養)に足踏みする方も。これは仏教の教えと個人の考えから生まれたようです。

仏教では、死後四十九日を過ぎたあと、故人の魂はご遺骨を離れて天国に行くため、その日からご遺骨はその人ではなくなるとされています。ご遺族が故人への悲しみを引きずることなく、日常生活を送れるようにするための配慮ですが、この教えからミニ骨壷に入れてご遺骨を家に置くことや、遺骨ダイヤモンドにして手元供養(自宅供養)することを嫌がる方もいます。

ただ、分骨は仏教で古くから行われている供養のひとつであり、関西や北陸地方では昔から分骨文化があります。そのため、分骨や手元供養(自宅供養)は縁起が悪いとい言うのは迷信にすぎないのです。


手元供養(自宅供養)を準備するタイミングはいつがベスト?

incinerating the deceased

手元供養(自宅供養)は新しい供養方法のため、生前に希望していても、いざその日を迎えたご遺族はどうしたらいいか分からないことがあります。そのため、手元供養(自宅供養)に関することは、 早い段階で準備しておくのがベストです。ただ、死後のことを生あるうちから考えるのは不吉と思う方もいますが、生前にお墓を建立することを寿陵、お仏壇を購入すること寿院と言い、縁起の良いこととされているので問題ありません。

そこで、手元供養(自宅供養)などを考えるキッカケとして、自分の死と向き合い、最期まで幸せな人生を送れるようにする「終活」を実施するといいでしょう。終活はエンディングノートに財産、治療や介護、形見分けや処分などについて明記し、葬儀やお墓などの希望も記します。墓じまいしたい、手元供養(自宅供養)で遺骨をミニ骨壷に入れて安置してほしい、手元供養(自宅供養)で遺骨アクセサリーにして身に付けてもらいたい、手元供養(自宅供養)で遺骨ダイヤモンド作製を希望するなど詳細に記しておくことは、終活の中でも大事なことです。

終活は若いうちから行うことが推奨されています。その意義は、終活をすることで人生を振り返り、自分自身や今後の人生について向き合うことができるからです。終活により、今までの人生における改善ポイントが見つかったり、今後の生活を新しく組み立てたりなど終活を通じて人生設計ができます。



手元供養(自宅供養)のまとめ

ライフスタイルの変化に伴い、葬儀や供養方法も多様化。お墓の後継者不在による墓じまい、お墓が遠方にあったり、高齢であったりすることからお墓参りに行けないといった理由で、分骨や手元供養(自宅供養)の需要が高まっています。また、東京や大阪などの都会に住んでいる方たちは、墓地が購入できないケースも多々あり分骨や手元供養(自宅供養)を選択することが増えています。

手元供養(自宅供養)は、分骨したご遺骨をミニ骨壷に入れたり、アクセサリーにしたり、遺骨ダイヤモンドにしたりなどさまざまな形で身近に置き、故人をいつでも弔うことができることが最大の特徴です。そのほか、手元供養(自宅供養)を選択した場合、お墓参りのための時間を気にしたり、お墓の存続問題があったりもありません。さらに、分骨や手元供養(自宅供養)は費用も抑えられます。

しかし、手元供養(自宅供養)は、分骨したご遺骨を身近に置くため、親族の同意が得られないことや遺骨ダイヤモンドなどが小物のため紛失の可能性が大きい点がデメリットです。

手元供養(自宅供養)はご遺骨を分骨することから、縁起が悪いと言われることもありますが、これは人の考えなどによる迷信です。

分骨や手元供養(自宅供養)の準備は生前からしても問題なく、終活では必ず明記しましょう。終活は若いうちから始めると、今後のよりよい人生設計にもつながり、大きな意義を果たします。