日本でも「LGBTQ」という言葉をよく耳にするようになりました。LGBTQの意味は、性的少数者の総称のことです。
昨今、LGBTQの問題がよく話題になりますが、昔からあるLGBTQの最大の問題は、同性婚についてです。日本では、まだ同性の結婚が認知されていないため、お墓に一緒に入れないといった人の死後にまで、LGBTQの問題を派生させています。
それでは、LGBTQの人々とお墓の関係性についてや、一緒のお墓に入れない問題に対する解決策には、どのようなものがあるのか見ていきましょう。
そもそもLGBTQとは?
まずは、LGBTQの意味から。LGBTQとは性的マイノリティの総称ですが、それぞれの単語の頭文字を取ったものになります。以下に、LGBTQの意味を記します。
L(Lesbian:レズビアン)同性を好きになる女性
G(Gay:ゲイ)同性を好きになる男性
B(Bisexual:バイセクシャル)同性も異性も好きになることがある人
T(Transgender:トランスジェンダー)体と心の性が異なる人
Q(Queer:クイア/Questioning:クエスチョニング)自らの性について特定の枠に属さない人、性的指向や性自認が明確ではない、または決定できないなどの人
現在では、LGBTQの意味だけでは収まりきらず、さまざまな性認識に関する言葉が存在しています。性認識は、自分の性や人に性に対する感覚や感情のため、一言で言い切れるものではなく、多種多様な世界観があるのです。
法的に結婚していなくても、同じお墓に入れるのか ?
さて、LGBTQの人々が、お墓に一緒に入るという問題には、さまざまな見解があります。日本のお墓は「家」が主軸になっているため、家族以外を受け入れるのが難しいという背景があるからです。
法律では、お墓に一緒に入る人は定められていません。そのため、LGBTQの人々がお墓に一緒に入る希望があり、霊園や親族がそれを認めていれば、お墓に一緒に入ることは可能です。
ただし、霊園によっては、お墓に入る親族を何親等までと定めていることがあります。そうした時は、事実婚の状態にある証拠などを持っていき、相談してみるといいでしょう。最近では、LGBTQの人々に対する「お墓に入れない問題」を持たない霊園も増えているので、一緒のお墓に入れることも多いようです。
また、親族で代々継承されているお墓一緒に入ることを希望する場合は、親族の理解を得ないといけません。なぜなら、日本のLGBTQの人々は同性婚問題を持っているため、家族になることができないからです。
そして、民法では「祭祀に関する権利の承認」という条目があり、ここでは、お墓を引き継ぐ祭祀主宰者について定められています。そのため、祭祀主宰者の同意を得えることさえできれば、LGBTQの人々も一緒にお墓に入ることができるのです。
日本のLGBTQの現状
日本にいるLGBTQの人口の割合は、当事者たちがオープンではないケースもあり、数パーセントから10%ほどだと言われています。そのため、海外のLGBTQの割合より、日本での割合が低い傾向にあります。
それは、海外ではLGBTQの大きな問題の一つでもある、「同性婚」について承認されている国が多くあるからです。一例として挙げると、オーストリアでは同性婚について認められているため、世界から移住する同性愛者が大勢います。また、盛大なLGBTQのパレード(プライド・パレード)が年1回行われ、その日が近づくと、街中にLGBTQを象徴するレインボーカラーの旗やデコレーションなど飾られ、観光客も集うほどです。
日本では、同性婚は認められているのか?
日本で同性同士での結婚は、認められていません。同性婚が認められない理由は、憲法によるものです。しかし現在では、人としての平等な権利を唱えているにもかかわらず、日本のLGBTQの同性婚問題に対しては認められていない。これには、賛否両論の声があります。
そのような背景を汲んでか、同性愛者のパートナーシップ制度が日本の各自治体で認められるようになりました。
パートナーシップ制度とは、日本が同性の結婚を認知していないことから、LGBTQのカップルに対し「結婚に相当する関係」として証明書を発行するなど、自治体が独自に定めた制度です。これにより、病院で家族同様の扱いを受けられたり、公営住宅に家族として入居できたり、生命保険の受け取り相手になれる等、さまざまな社会的サービスや配慮を受けやすくなりました。
2015年に、初のパートナーシップ制度が日本の渋谷区で施行されて以来、パートナーシップ制度は日本全国へと広がり、現在では200以上の自治体で施行されています。このパートナーシップ制度は、日本の同性の結婚を認めるものではないため、法的に家族となれるわけではありません。しかし、この制度のおかげでLGBTQ の同性婚問題が根本的に解決されたわけではありませんが、同性愛者がパートナーと人生を一緒に歩む助けとなっているのは事実です。
LGBTQとして愛するパートナーと一緒に眠るために
日本のLGBTQの問題が緩和されている点もありながらも、親族などからLGBTQの人々がお墓に一緒に入ることを同意されないケースもまだ多いです。
それでは、どのようなお墓や供養の選択肢があるのでしょうか。詳しくみていきましょう。
永代供養墓や樹木葬での供養
「お墓に一緒に入りたいのに、入れない」というLGBTQの人々の問題を解決するために、霊園や寺院が、彼らを永代供養墓や樹木葬などで、お墓を一緒にする供養の事例が増えています。
永代供養とは、お墓参りに行けない遺族に代わって、霊園や寺院がご遺骨を管理・供養してくれる埋葬方法です。お墓がない、お墓に入れない、身寄りのない故人のご遺骨を埋葬したり、お墓が買えない場合にも永代供養を利用できます。
永代供養では、永代供養墓にご遺骨を埋葬するケースが多く、お墓を継承する必要はないため、永代供養墓に入れば新たにお墓を探す必要もありません。また永代供養墓では、お墓のための土地と墓石が不要で、お墓の費用をかなり抑えることもできる為、永代供養であれば死後の心配はないでしょう。
そして、永代供養の一環である樹木葬は、草木や花の下にご遺骨を埋葬する葬送で、樹木が暮石の代わりになります。樹木葬は、土に返るという自然回帰ができるため、とても多くの方が樹木葬を希望されています。(現在、納骨規制も多いため、直接土中に埋葬できる墓地もあれば、骨壷ごと埋骨する墓地もある。)また、樹木葬は海洋散骨などと違ってお墓参りができるので、同性愛者だけに限らず、愛する故人を偲ぶためにお墓参りに行く人も多いです。
こうして永代供養は、多くの人を受け入れられる供養方法であり、LGBTQの問題を真摯に受け止め、解決しようとしてくれる寺院や霊園も多くなっています。ただし、永代供養をしてもらえる「永代供養墓」や「樹木葬」であれば、必ずしも同じ墓に眠れるとは限らない為、事前に確認されることをオススメします。
遺骨ダイヤモンド製作による「ダイヤモンド葬」
LGBTQの人々の「お墓には入れない問題」に対して、LONITÉ™(ロニテ)が提唱するダイヤモンド葬も一つの解決策になります。ダイヤモンド葬とは、故人の遺骨からダイヤモンドを製作する葬儀のことです。
ダイヤモンド葬の方法は、遺骨から抽出した炭素を99.99%まで精製し、天然のダイヤモンドシードを加えます。これを、天然ダイヤモンドと同じ生成環境を再現した特殊装置に入れ、遺骨ダイヤモンドとして炭素を結晶化させます。そうすることにより、天然ダイヤモンドと同じ性質を持った本物のダイヤモンド(遺骨ダイヤモンド)が完成するのです。そして、出来上がった遺骨ダイヤモンドを形見や故人の一部として、手元で供養します。この過程全体が、故人を弔うことに匹敵するとして、遺骨ダイヤモンドを製作することを「ダイヤモンド葬」と呼んでいるのです。
遺骨ダイヤモンドは、故人のご遺灰を使用し製作されるため、まさに故人そのものです。そして、その輝きは「故人の輝き」であり、遺骨ダイヤモンドを身近に置いたり、ジュエリー加工して身につけることで、いつでも故人に想いを馳せることができるでしょう。
まとめ
性的少数者の総称、LGBTQ。LGBTQの人々は少数派だけに、さまざまな問題を抱えています。とくに同性婚問題は、お墓に一緒に入れないといった問題まで引き起こします。それは、日本ではまだ同性の結婚が認められていないからです。
近年は、LGBTQの人々の同性婚問題を解決するために、パートナーシップ制度という各自治体独自の制度があります。この制度により、日本で同性の結婚はできなくても、LGBTQの人々の結婚に関する問題が緩和されつつあります。
LGBTQの人々へのお墓問題の解決方法としては、樹木葬などの永代供養、遺骨ダイヤモンド製作によるダイヤモンド葬が挙げられます。ただし、永代供養が必ずしもできるとは限らないことを考えると、「ダイヤモンド葬」は宗教も性別も問わないため、LGBTQの人々の死後供養をするには、最も適した葬送方法とも言えるでしょう。
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