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【通夜・葬儀・告別式マナー】服装・香典・数珠について徹底解説

Updated: Jul 9




通夜や葬儀は故人を偲ぶ特別な儀式。通夜、葬儀・告別式に参列する機会は急におとずれることがほとんど。通夜や葬儀の作法やマナーを事前に知っておきたいところ。


作法やマナーを知らずに参列すると、周囲の調和を乱し、悲しみに暮れるご遺族や参列者に対して無礼となります。通夜、葬儀・告別式に参列する際に失礼がないように、服装や小物類、香典に関する情報を事前にチェックするようにしましょう。


この記事では、日本の通夜や葬儀に参列する際に必須の作法やマナーについて解説します。



日本の葬儀の特徴


日本の葬儀の大半は仏式葬儀ですが、神式やキリスト教式の葬儀も存在します。各宗教で違いはありますが、どの葬儀においても共通することは故人を偲び、別れを告げること。


また、無宗教の人のための葬儀も存在し、宗教者による葬祭行為のない自由な形式で実施することも可能です。 さらに、葬儀だけではなく、火葬の流れやプロセスも宗教により異なります。火葬後の遺灰や遺骨は、お墓に納めたり、海へ散骨したり、遺骨ダイヤモンドに加工したりして供養します。


ここからは、各宗教の葬儀の特徴を見ていきましょう。



仏教式の葬儀


仏教には複数の宗派があり、大部分の宗派の死生観は「輪廻転生」。生まれ変わりを信じており、故人は仏弟子になって戒名と呼ばれる名前を与えられます。通夜、葬儀・告別式、火葬の一連の流れは故人を極楽浄土へと送ることが目的です。


通夜は家族や親族が故人との別れを惜しみ、悪霊から故人を守る儀式です。亡くなった日から翌日まで夜通しで行っていたことから通夜となりましたが、現在は半日ほどで一般の方も参列することがあります。そして、葬儀は僧侶が中心となり故人を弔う儀式、告別式は喪主が中心となり故人に別れを告げる儀式です。


仏教の通夜や葬儀・告別式での読経は宗派によって違いますが、釈迦による人間の生き方を説いた内容です。


通夜や葬儀・告別式で行われる焼香は、故人への弔いではなく、焼香する人自身の心身の穢れを落とし、故人や仏に心を傾けられるように整える意味があります。焼香の作法も宗派で異なり、種類は立礼焼香、座礼焼香、香炉を各参列者に回して行う回し焼香、線香焼香の4週類です。通夜や葬儀・告別式で仏に礼拝するときに数珠を使います。



神式の葬儀

日本古来の宗教、神道は民族宗教であり、自然に存在する万物に神様が宿るとされ、特定の神を信仰しません。そのため、亡くなった人は氏神になって家を守ると考えられており、「家」が主体の死生観です。また、亡後の幸福を祈る意味の「ご冥福」は使いません。 仏教での経典、キリスト教での聖書のような各宗教の教えが記された教典がないのも特徴です。 葬儀は神葬式と呼ばれます。葬儀の流れは、仏式葬儀とほぼ一緒ですが、いくつか違いがあり、そのひとつは故人の魂を霊璽(れいじ・仏教での位牌にあたる)に移す遷霊祭(せんれいさい)です。通夜と同じ日に行うことが多いようです。


葬儀は葬場祭と言い、 玉串奉奠(たまぐしほうてん)が行われます。 これは、神様が宿るとされる榊の木の枝に、紙垂(しで)と言う紙を結びつけた玉串を神に謹んで供えるもので、仏式葬儀での焼香にあたる儀式です。


また、仏式葬儀の経の代わりに、故人の素晴らしい経歴を綴った祭詞が述べられます。雅楽が奏でられ、三種の神器といった神道独自の道具を使用します。



キリスト教


キリスト教の死生観は、神のお許しで永遠の安息を得るものであり、死は祝福されるものであることから、「安らかな眠りにつかれますように」などの言葉が使われます。キリスト教は大きく分けるとカトリック(カソリックとも呼ぶ)とプロテスタントがあり、両者の間にさまざまな違いがあります。


カトリックでは司祭を神父、礼拝で歌われる歌を聖歌と言い、伝統を重んじています。プロテスタントでは牧師、讃美歌と言い、比較的柔軟な姿勢です。

キリスト教では、危篤時に神父/牧師を呼び儀式を行います。そして、神に祈りながら最期を看取ります。看取りは仏教や神道にはない大きな違いと言えます。

カトリックの葬儀は、故人の罪を清め、神に受け入れてもらい、復活を祈ることに重きが置かれ、通夜の集い、葬儀が行われます。告別式はありませんが、日本では行うケースが多いようです。


プロテスタントの葬儀は、神に祈りを捧げ感謝し、遺族を慰めることが主となっており、通夜にあたる前夜祭と葬儀兼告別式が行われます。前夜祭はあくまでも儀式のため、仏式葬儀にある通夜返しのような飲食はしません。


どちらの葬儀も、焼香の代わりに一輪の献花を捧げ、神父/牧師は聖書を読み、聖歌/讃美歌がさまざまな場面で歌われるのも特徴です。基本は土葬ですが、土葬を行う環境があまりないため、火葬が行われることがほとんどです。



葬式・通夜参列時に準備するもの(服装、香典など)



死は突然訪れるため、通夜や葬儀、告別式にすぐに行ける準備をしておくことは大切です。以下に、仏式の葬儀に参列する際のマナーと、準備すべきものを紹介します。



葬式・通夜参列時に準備する服装


まずは服装。通夜や葬儀・告別式での基本は喪服。色は黒が基本です。ただし、通夜は出先から駆けつけることもあるため、黒などのダークスーツに白いワイシャツ、女性はワンピースも可能です。ネクタイや靴下、ストッキング、靴は光沢のない黒色のものを選びましょう。子どもは制服が基本ですが、制服がない場合はフォーマルに近いものを選択しましょう。靴下は白色でも大丈夫です。


通夜や葬儀・告別式に着ていくコートは黒色がベストですが、ダーク系のコートもマナー違反ではありません。 殺生をイメージさせる毛皮、光沢や派手なボタンなどのコートはふさわしくありません。










葬式・通夜参列時に準備する小物類


続いて、小物類。通夜や葬儀、告別式に参列する場合のアクセサリーは、結婚指輪とパールのみ。二連ネックレスは不幸が重なることを意味するためマナー違反です。バッグや傘は光沢なしの黒色を選びましょう。通夜や葬儀・告別式には、黒または白のハンカチとティッシュを持っていくことをおすすめします。



葬式・通夜参列時に準備する香典


そして、香典。黒白か双銀の水引にし、上に表書き、下にフルネームを薄墨で書きます 。ほとんどの宗派では香典の表書きは「御霊前」ですが、異なる宗派もあるので香典の取り扱いにはくれぐれも注意しましょう。香典には新札を使用しません。また、香典は1世帯に1つで、香典辞退と言われたら、ご遺族の意向を尊重します。


香典は袱紗に入れて持参し、通夜や葬儀・告別式の受付で袱紗から取り出し、表書きが相手から読めるように渡すのがマナー。袱紗は通夜や葬儀、告別式だけでなく、慶弔でも使います。



葬式・通夜参列時に準備する数珠


最後に数珠について。宗派によって玉の数、持ち方が違いますが、故人の宗派に合わせなくて大丈夫です。通夜は急なこともあるので、持っていなくても問題ありませんが、葬儀・告別式には必要です。ブレスレットタイプはやめましょう。数珠は通夜や葬儀・告別式以外でも法要などで使う仏具です。マナーとして人と共有するのはやめ、畳や椅子の上に直接置いたりせず大切に扱いましょう。



葬儀・通夜の流れ



次に、通夜と葬儀・告別式の一連の流れを紹介します。



通夜の流れ

通夜の多くは、17時から18時頃に受付が始まり、2時間ほどで終了します。通夜は急なことが多いので、遅刻しても参列した方がマナーと言われています。


  • 受付、着席

香典を渡し記帳し、先客に一礼して入室後、ご遺族に挨拶し、前から詰めて席に座ります。


  • 僧侶入場、読経開始


  • 焼香

遺族や親族、一般参列者の順に行います。


  • 僧侶退場後、喪主の挨拶


  • 通夜振る舞い

故人への供養の一環のため、お断りしないようにしましょう。宴会ではないので、飲みすぎず、長居もやめましょう。

翌日の葬儀・告別式に参列できない場合は、退席の際にご遺族にお悔やみを伝えお詫びします。



葬儀・告別式の流れ


現代では、葬儀と告別式は続けて行うことが一般的。葬儀は遺族や親族の焼香まで、告別式は、一般参列者は出棺まで、遺族や親族は精進落としをいただくまでとなります。


  • 受付 通夜で香典を渡している場合は「昨夜も参りました」と伝えましょう。

  • 着席

  • 僧侶入場、読経

  • 弔辞・弔電の奉読

  • 焼香(遺族、親族)

  • 焼香(一般の参加者)


焼香が終われば退出できますが、最後までいるのがマナーです。


  • 別れの儀 棺の中にお花を入れ、故人とお別れし、棺に釘が打たれます。

  • 出棺 一般参列者はここが故人と最後のお別れになります。霊柩車が出発する直前に黙礼し、合掌して冥福を祈ります。その後、 遺族や親族は火葬場へ向かいます。

  • 火葬 親族が集まっているため、この時間に次の法要日時を決めておくといいでしょう。

  • 拾骨 拾骨後、再び葬儀場に戻ります。

  • 初七日法要 僧侶にて還骨法要や繰り上げの 初七日法要が行われます。

  • 精進落とし



葬儀・通夜で参列者が気をつけるべきマナー



通夜、葬儀・告別式は儀式であるため、作法やマナーに注意しましょう。また、人々が悲しんでいる場でもあるため、ご遺族を気遣う気持ちもマナーです。


特に以下のマナーはしっかりと守りましょう。


  • 受付でのマナー 簡単なお悔やみ「この度はご愁傷様です」などと控えめの音量で述べます。受付がない場合は、遺族にお悔やみの言葉を述べ香典を手渡すか、焼香時に祭壇に香典を供えます。

  • 焼香でのマナー 焼香は宗派や地域によって方法が違い、故人の宗派か参列者自身の宗派で行います。どちらでも問題ありませんが、故人の宗派で焼香したい場合は、通夜や葬儀時の僧侶や喪主の方法を見て確認するといいでしょう。焼香の回数は、基本的に1回~3回の間がマナー。

  • 言葉のマナー 通夜や葬儀・告別式ではご遺族の気持ちを察した配慮がマナーになるため、使用する言葉に気をつけましょう。 通夜ではご遺族にお悔やみの言葉を申し上げますが、葬儀や告別式では控えるのがマナーです。故人がどのようにして亡くなられたかなどをご遺族に尋ねてはいけません。悲しみを大きくさせるような言動はマナー違反です。 不幸が重なる様子を連想させる「重ね重ね」や、生死を思い起こさせる「生きていた頃は」といった言葉も控えるようにしましょう。 通夜や葬儀・告別式で知り合いに会うこともありますが、世間話や私語はマナーに反するので、通夜や葬儀・告別式の終了後に会話をするようにしましょう。

  • 通夜に参列しない場合のマナー すぐに喪家に知らせましょう。その際に訃報を知らせてくれたことへの感謝、お悔やみの言葉、を述べたあと、欠席することを伝えます。詳しい理由は伝える必要はありません。 後日、弔問したり、香典や弔電を送ったり、通夜前までに花や供物を贈ることもできます。

  • 香典を預かる、代理で参列する場合のマナー 香典を預かってきた場合は、自分の名前と香典を預かった人の名前を記帳します。香典を預かり代理で参列する場合は、芳名帳に出席できなかった人の名前、その下に「代理」と記し自分の名前を小さく書きます。 会社の代理で参列する場合は、記帳し名刺も渡します。その際の名刺には、出席できない人の名刺の右上に「弔」、自身のものには「代」の文字を書いておきます。

  • 仕事関係での参列でのマナー 受付で名刺を渡します。本人が参列していることを表すために、名刺右上に「弔」を書くか、左下を内側に少し折り曲げておくかします。 携帯電話は、通夜や葬儀・告別式においても電源を切りましょう。マナーを守ることで、参列者の心が故人の弔いに向けられるためとても重要です。


日本の通夜・葬儀の参列マナーのまとめ


日本では仏式葬儀が主流。ただし、神道やキリスト教の葬儀も行われます。それぞれの宗教で死生観が違うため行われる儀式は異なりますが、故人を偲び、別れを告げることは全ての葬儀で共通です。


仏式葬儀の一連の流れは、通夜、葬儀・告別式が一般的。昔は通夜は親族たちが集まり、夜通し行われていましたが、現在は夕方から2時間程度の儀式がほとんど。葬儀は、開始からご遺 族や親族の焼香まで、その後から出棺までが告別式です。ただし、ご遺族や親族の場合は一般の参加者よりも長く、火葬後法要を行い、精進落としをするまでが告別式と言われています。

焼香は通夜、葬儀・告別式で行う儀式です。自身の汚れを落とすことが目的で、それにより故人や仏に集中できるようにします。


数々のマナーがある通夜、葬儀・告別式でマナーを守ることは、通夜、葬儀・告別式を首尾よく進め、ご遺族をはじめ参列者が故人を弔うことに集中させます。


通夜、葬儀・告別式での儀式だけでなく、通夜、葬儀・告別式参列時の服装や身につける小物類や、香典のマナーも気をつけるようにしましょう。


通夜、葬儀・告別式は悲しみの場であるため、ご遺族の気持ちを考えた言動が求められ、言葉使いにも気をつけるのがマナー。仕事関係で通夜、葬儀・告別式に参列する場合は名刺も渡すことを忘れずに。

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