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愛する人の遺骨や遺灰から生まれた遺骨ダイヤモンド

Updated: Jul 10


Buried Our Family in the Land

中世の時代から、人類は不老不死を追求してきましたが、21世紀である今、急速に発展するテクノロジーは人類を永遠に生きさせることができるのでしょうか?実際に愛する人を永遠に生きさせることは現段階では不可能ですが、愛する人の一部を使って永遠に残る記念品を作ることは可能です。愛する故人がこの世を去った後、ダイヤモンドへと変貌を遂げるのです。とても神秘的な話ですよね?でも、実際に故人の一部からダイヤモンドを作ることは可能なんです。


この記事では、遺骨ダイヤモンドとはどんなものなのか、どのような特徴があるのかについて明らかにし、現在のテクノロジーでどのようにして人工的にダイヤモンドを製造できるのかについて焦点を当てます。



火葬された遺骨や遺灰から作るダイヤモンド


遺骨ダイヤモンドは、新しい供養の形であり、火葬後の故人の遺骨や遺灰を、ラボで合成した人工ダイヤモンド(別名:メモリアルダイヤモンド)として知られています。ダイヤモンドの必須成分は炭素ですが、これは人体を構成する必須元素のひとつでもあり、火葬された遺骨や遺灰には2%の炭素が含まれています。この特徴に目をつけた企業が、遺骨や遺灰に含まれる炭素を抽出し、最新の技術を駆使して独自の遺骨ダイヤモンドを作り、愛する人を「永遠に残す」ことに成功したのです。


天然ダイヤモンドは、地下約150マイルにある地球の中心部の極端な圧力と温度の下で形成されます。何百万年もかけて火山活動によって地表に押し出された天然ダイヤモンドは、永遠の愛の象徴として人間に採掘され、高価で販売されています。1954年、アメリカのゼネラル・エレクトリック社は、この天然ダイヤモンドが形成されるのと同じ、高温高圧の環境を再現することに初めて成功し、ラボで元素の炭素からダイヤモンドを作り出したのです。この人工ダイヤモンドが市販されるようになったのは1980年代のことです。


人工的に作られた遺骨ダイヤモンドは本物なのか?



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人間の遺灰から実験室で作られたダイヤモンド

天然ダイヤモンドとラボグロウンダイヤモンドの違いは、炭素の起源だけです。天然ダイヤモンドの炭素は自然に形成され、人工的に作る遺骨ダイヤモンドの炭素は故人の遺骨や遺灰から抽出されます。


ダイヤモンドは天然鉱物の中で最も硬く、カットして磨くことで、眩い輝きを放ちます。1950年代に、天然ダイヤモンドの価格が高騰したため、人工的にこの美しい結晶を作るというアイデアが生まれました。


人工的にダイヤモンドを製造できる方法は2つあります。1つ目は高温高圧法(HTHP法)です。これは、高温高圧環境下を人工的に再現した装置に炭素(グラファイト)を入れ、ダイヤモンドを形成するという方法です。一般的に、このプロセスには10GPと3000℃以上の圧力と温度が必要だと言われています。いくつかの触媒を加えても、反応に必要な条件はより厳しいのが特徴です。


もう1つの技術は、化学的気相成長法(CVD法)です。これは、ダイヤモンドを基材とし、メタンと水素のプラズマをHTHPよりも低い温度(800℃)で通過させることで、炭素原子を連続的に基材に付着させ、天然ダイヤモンドと同じ組成・構造のダイヤモンドを形成する方法です。ラボグロウンダイヤモンドの品質は、技術の進歩とともに高くなってきています。


よって、人工的に作る遺骨ダイヤモンドは天然ダイヤモンド同様、本物のダイヤモンドなのです。



遺骨ダイヤモンドはどのように作られるのか?


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四角いラボグロウン・クレメーションダイヤモンド

  • 分析と検査

お客様から遺骨や遺灰を受け取ったスタッフは、まず遺灰の組成をラボで分析します。この検査は、灰自体を物理的に処理することなく、灰に含まれるいくつかの元素、主に炭素の含有量を調べるものです。遺骨ダイヤモンドを作るための炭素の含有量が十分であれば、そのまま次のステップである炭素の抽出に進みます。


  • 炭素の抽出

最初のステップを終えた遺骨や遺灰は、次に炭素抽出のプロセスに進みます。ここでは、灰から最大90%の純度の炭素が抽出されます。ラボのスタッフが抽出した炭素は、次のステップである黒鉛への変換へと移ります。


  • 黒鉛への変換

抽出された炭素は熱処理され、高温の環境下で炭素の分子構造が再編成されて黒鉛になります。黒鉛化の際には、ラボのスタッフが他の不要な無機物を取り除きます。


  • ダイヤモンドの結晶化

変換された黒鉛を集めて結晶化用の型に入れ、天然ダイヤモンドの形成を模擬した高温高圧の機械で高温高圧を加えます。この工程を経て、ダイヤモンドの原石が誕生しまう。


  • カット&研磨

できあがった遺骨ダイヤモンドの原石をカット・研磨することでジュエリーグレードのダイヤモンドに仕上がります。事前にお客様からリクエストがあれば、ラボの職人が、指定された形にカットし、磨き上げて、透明度の高いダイヤモンドを作ります。


遺骨ダイヤモンドには大きく分けて、無色透明、レッド、イエロー、ブルー、グリーンの色があります。人の体はそれぞれ異なる要素を持っているので、完成形の遺骨ダイヤモンドの色の濃淡は微妙に異なります。




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火葬用ダイヤモンドは、私たちの家族と友人を偲ぶために

遺灰からラボグロウンダイヤモンドを作るにかかる費用


ラボで作る遺骨ダイヤモンドは、灰から炭素を抽出して製造されます。一方、何百万年もの時間を経て形成される天然ダイヤモンドの値段は当然高くなります。遺骨ダイヤモンドの価格は、一般的な人工ダイヤモンドに比べて高く、一般的な天然ダイヤモンドに比べて非常に安価なのが特徴です。たとえば、スイスにラボがあるLONITÉでは、0.25カラットのダイヤモンドを319,000円で作ることができます。2カラットのダイヤモンドを作る場合は、1,950,000円です。



遺骨ダイヤモンドを製造できる場所


LONITÉの遺骨ダイヤモンドは、お客様に提供された遺骨や遺灰、遺髪から炭素を抽出してラボで育てられたダイヤモンドで、永遠の思い出がユニークな形で結晶化したものです。


LONITÉはスイスに専門の炭素精製研究所とダイヤモンド栽培センターを持っています。最先端の設備と技術を駆使して、すべてのお客様から提供されたサンプルから高純度の炭素を抽出し、ダイヤモンドの生成に必要な極端な高温高圧の環境を再現します。LONITÉのラボで遺灰ダイヤモンドを製造することで、故人様との思い出が永遠に残り、唯一無二の存在になるです。


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私たちが失ったものを悼む

まとめ


遺骨や遺灰、遺髪からダイヤモンドを作るという新技術は、一部のテクノロジー企業が悲しむ家族に提供する、新たな供養のサービスです。愛する人の遺灰や髪の毛から炭素を抽出し、ラボにある最新技術を搭載した装置でダイヤモンドを形成することで、悲しみに暮れる人々はダイヤモンドの輝きを見つめ、亡くなった愛する人をいつでも思い出すことができるのです。



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